2011年1月31日月曜日

第10回社会運動ユニオニズム研究会(終了)

公契約条例制定運動の到達点と今後の課題
日 時:2011年1月29日(土)
報告者:小畑精武さん(自治労公共民間労組評議会・アドバイザー)

国や自治体などの入札における談合とダンピングがあいかわらず後を絶ちません。安さを求める競争入札はこの間公共サービスにおける雇用の不安定化、生活できない賃金、そして公共サービスの質への不安をつくりだしてきました。

安 さだけを追求する入札から、従事する建設労働者や委託労働者の賃金の最低額や雇用継続を入札や落札の条件として、さらに自治体が政策として追求する環境、 人権、福祉など社会的価値を自治体の入札・契約の中で定めていこうとするのが「公契約条例」です。官製ワーキングプアを生み出す価格一本の競争入札制度を やめて、豊かな地域社会をつくるために、地域が幸せになる<新しい公共>ルールとしての公契約条例の制定がいまこそ必要です。

2009年の野田市に続き、2010年には政令市ではじめて川崎市が全会一致で公契約条例を制定しました。さらに札幌市や国分寺市、相模原市が続き、全国に広まろうとしています。

当日は、自治労で公契約条例制定の運動を取り組んでこられた小畑精武さんに、公契約条例の意義やこれまでの取組み、各地の条例の特徴、今後の展望と課題について報告をいただき、議論しました。

小畑さんへのインタビュー「公契約条例で幸せになろう」(13分)

2011年1月14日金曜日

公開研究会〜アメリカ労働法の機能不全と改革の展望(終了)

早稲田大学グローバルCOE社会法グループと一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センターで以下の公開研究会を開催しました。

1月に早稲田大学の招聘で来日されるアメリカの労働法研究者カール・クレアさんを迎えて、公開研究会を開催します。リーマンショックに代表されるアメリカの金融危機の原因の一つにアメリカ労働法の脆弱性があることを様々な側面から明らかにしたクレア氏の報告を受けて、アメリカにおける政治状況や労働運動・社会運動の現状と機能不全に陥った労働法について、議論をしました。

公開研究会〜アメリカ労働法の機能不全と改革の展望
●日 時:2011年1月14日(金)
●報告者:カール・クレアさん(ノースイースタン大学ロ-スクール教授)
●通 訳:松元千枝さん(フリーランス・ジャーナリスト)

●カール・クレア(Karl Klare)さんの紹介

カール・クレアさんは、現在、ノースイースタン大学ロ-スクールの教授で、国際的にも著名な労働法研究者である。同氏は、コロンビア大学を卒業後、イエール 大学で政治学の修士号を取得し、その後ハーバード大学ロースークールを修了し、教職についている。政治学者の時代にディック・ハワード(Dick Howard)と共に書いたThe Unknown Dimension: European Marxism Since Leninは『レーニン以後のマルクス主義』(川喜多喬訳)として日本語にも翻訳されている。学生時代から公民権運動やベトナム反戦運動に参加し、法学者になってからは、批判法学(Critical Legal Studies)運動の創設にもかかわっている。労働法の分野では、国際的な労働法研究者・実務家のネットワークである、International Network on Transformative Employment and Labor Law)のコーディネーターの一人である。最近の著作としては、Labor Law in an Era of Globalization: Transformative Practice & Possibilities (Oxford University Press)、翻訳された報告論文に「労働のための新たな『ニューディール』?:アメリカ合衆国の労働法、雇用法に対するグローバル経済危機の影響」戒能通厚・石田眞・上村達男編『法創造の比較法学—先端的課題への挑戦』所収がある。