早稲田大学グローバルCOE社会法グループと一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センターで以下の公開研究会を開催しました。
1月に早稲田大学の招聘で来日されるアメリカの労働法研究者カール・クレアさんを迎えて、公開研究会を開催します。リーマンショックに代表されるアメリカの金融危機の原因の一つにアメリカ労働法の脆弱性があることを様々な側面から明らかにしたクレア氏の報告を受けて、アメリカにおける政治状況や労働運動・社会運動の現状と機能不全に陥った労働法について、議論をしました。
公開研究会〜アメリカ労働法の機能不全と改革の展望
●日 時:2011年1月14日(金)
●報告者:カール・クレアさん(ノースイースタン大学ロ-スクール教授)
●通 訳:松元千枝さん(フリーランス・ジャーナリスト)
●カール・クレア(Karl Klare)さんの紹介
カール・クレアさんは、現在、ノースイースタン大学ロ-スクールの教授で、国際的にも著名な労働法研究者である。同氏は、コロンビア大学を卒業後、イエール 大学で政治学の修士号を取得し、その後ハーバード大学ロースークールを修了し、教職についている。政治学者の時代にディック・ハワード(Dick Howard)と共に書いたThe Unknown Dimension: European Marxism Since Leninは『レーニン以後のマルクス主義』(川喜多喬訳)として日本語にも翻訳されている。学生時代から公民権運動やベトナム反戦運動に参加し、法学者になってからは、批判法学(Critical Legal Studies)運動の創設にもかかわっている。労働法の分野では、国際的な労働法研究者・実務家のネットワークである、International Network on Transformative Employment and Labor Law)のコーディネーターの一人である。最近の著作としては、Labor Law in an Era of Globalization: Transformative Practice & Possibilities (Oxford University Press)、翻訳された報告論文に「労働のための新たな『ニューディール』?:アメリカ合衆国の労働法、雇用法に対するグローバル経済危機の影響」戒能通厚・石田眞・上村達男編『法創造の比較法学—先端的課題への挑戦』所収がある。