2017年10月26日木曜日

東京訪米団報告:APALA大会・ロサンゼルスを訪問して

73回社会運動ユニオニズム研究会
日時:20171124日(金)1830 2100 
場所:明治大学駿河台キャンパス・グローバルフロント2階4021教室(御茶ノ水) 
報告:東京訪米団のメンバー【岸朋弘、金美珍、小谷幸、坂本啓太、菅俊治、瀬山紀子、高須裕彦、寺島栄宏、鳥尾理沙、中村 優介、萩原久美子、村岡敬明、柳浦聡子(アイウエオ順)】+伊波洋一参議院議員(特別報告)
主催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター、法政大学大学院フェアレイバー研究所、明治大学労働教育メディア研究センター、Labor Now        

参加申込み:資料準備の都合上、参加をご希望の方は1121日までに下記アドレスまでご一報下さい。
 b071429k(at)r.hit-u.ac.jp  (at)@に置き換えて送信下さい。
 
UCLAレイバーセンターのケント・ウォンさんから、APALA(アジア太平洋系アメリカ人労働者連盟)結成25周年大会(818日〜20日開催)への参加の呼びかけを受けて、同大会とロサンゼルスを、東京から13名の活動家・弁護士・大学院生・研究者らで訪問してきました。別途、オール沖縄会議も訪米団を送りました。

APALA大会では全米各地からの参加者との交流を行いました。沖縄訪米団は沖縄米軍基地分科会を開催し、同大会は、沖縄の米軍新基地建設に反対する連帯決議を満場一致で上げました。

同大会終了後は、社会運動ユニオニズムの先進地域であるロサンゼルスに向かい、UCLAレイバーセンター、ロサンゼルス郡労働組合評議会、SEIU(在宅介護、保育・学校・ファストフード)、UNITE-HERE(ホテル・サービス産業)、シンク&アクト・タンク(LAANE)、コミュニティ組織、コリアタウンやフィリピン、被服、タクシーなどの労働者センターなどを訪ね、交流してきました。

そこで、次回研究会では、沖縄決議を含むAPALA大会の内容、ロサンゼルスの労働・社会・地域運動の状況や交流を通じて学んだものを報告し(映像も上映します)、議論したいと思います。また、オール沖縄会議訪米団として参加された伊波洋一参議院議員から特別報告を受けます。

(全体報告)
● 訪米団紹介VTR
● 高須裕彦 「2017APALA大会とロサンゼルス訪問の概要」

第1部 APALA
● 村岡敬明 「APALA大会における沖縄決議と記憶の伝承」
● ケント・ウォン氏からの連帯メッセージ(ビデオ)
● (特別報告) 伊波洋一(参議院議員)「米軍基地建設の現状とAPALA大会」

第2部 ロサンゼルス
● 萩原久美子 「労働運動とケア、ジェンダー」
● 金美珍、小谷幸 「ロサンゼルスの最低賃金引上げ運動」
(休憩、10分)
● 岸朋弘、菅俊治、中村優介 「若者の労働運動とUCLAレイバーセンター」

第3部 これからの労働運動にどう活かすか
● 瀬山紀子、柳浦聡子 「不安定な働き方と労働運動」
● 坂本啓太 「移住労働者と労働組合」

東京訪米団報告会案内ビデオ(43秒)



APALA ケント・ウォン 沖縄へ連帯メッセージ(5分)

報告会案内チラシ

2017年10月16日月曜日

レイバー・ノーツの歴史とアメリカ労働運動(終了)

第72回社会運動ユニオニズム研究会
日時:2017年11月14日(火)18:30-21:00 
場所:連合会館402会議室(御茶ノ水) 
地図 http://rengokaikan.jp/access/
報告:レイバー・ノーツの歴史とアメリカ労働運動 
       ジェーン・スロータさん(レイバー・ノーツの共同創設者、初代編集長)
(通訳付きです)
主催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
   法政大学大学院フェアレイバー研究所
   明治大学労働教育メディア研究センター
   Labor Now        


当日の映像 レイバー・ノーツの歴史とアメリカ労働運動(1)報告

レイバー・ノーツの歴史とアメリカ労働運動(2)質疑


11月に『レイバー・ノーツ』の共同創設者であるジェーン・スロータさんが来日されます。

『レイバー・ノーツ』は月刊誌(1979年創刊)であるだけでなく、アメリカ労働運動の改革派として、1000人規模の隔年大会を開催し、交流や労働者教育をはじめ、労働運動の改革のために様々な活動を行ってきました。

次回研究会では、スロータさんを講師に「レイバー・ノーツの歴史とアメリカ労働運動」をテーマに報告いただき、40年のレイバー・ノーツの歴史を振り返りながら、労働運動改革の方向について、一緒に議論したいと思います。

ご関心ある方は是非ご参加下さい。
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講師紹介
◇ジェーン・スロータ Jane Slaughter
GMの自動車工場で働き、全米自動車労組UAW組合員として活動。その後、1979年にレイバー・ノーツの創設に関わり、初代編集長。多くの本を書き、現在も政策委員としてLabor Notes に関わり、講師として労働者教育に携わっている。

レイバー・ノーツ紹介

1.レイバー・ノーツとは
レイバー・ノーツ(Labor Notes)とはNPO法人Labor Education and Research Project(労働教育調査プロジェクト)が発行している月刊誌の名前である。1979年に創設され、ミシガン州デトロイトとニューヨーク州ブルックリンに事務所を持つ。本やパンフレットを出版し、労働運動活動家の大会を2年に1度開催し、様々な労働問題に関する地域的なワークショップや労働学校を運営している。6人の専従スタッフの他に多様な労働組合や組織から選ばれた23人の政策委員会により運営されている。

レイバー・ノーツは、現在では、ウェブサイトが中心的な媒体となっている。
http://www.labornotes.org

2.労働運動に運動を取り戻す
月刊誌レイバー・ノーツの毎号の奥付には自らの性格と任務が簡潔に記載されている。「レイバー・ノーツは”労働運動に運動を取り戻そう”としている労働運動活動家の声である。」(中略)その具体的な方法は「職場での組織化、譲歩と闘う攻撃的な戦略、そして民主的で組合員中心の労働組合を広める」ことである。つまり、下からの組合員自らの運動を展開することである。さらにレイバー・ノーツは「より強い労働運動を作るために、異なる労働組合、労働者センター、民族、産業や国の労働者の間のつながりを強化することを推し進めてきた。」

アメリカの労働組合運動で支配的なビジネス・ユニオニズムを口だけで、あるいは外から批判するのでなく、中から下から作り変えていく。そのためにはコーカスと呼ばれる組合内組織を結成し、執行部を担い、作り変えを積み重ねることにより、レイバー・ノーツ潮流は成長し、力をつけて行った。レイバー・ノーツ自体がアメリカ労働運動全体の中の一つの改革派コーカスである、と言ってもよいだろう。

3.アメリカ労働運動の中での位置
1960年代から70年代にかけてのベトナム反戦運動などの様々な進歩的社会運動の影響を受けて、労働組合運動の活性化を目指した人々によってレイバー・ノーツは出発した。小さな運動として始まったが、80年代に労働組合運動が退潮するなかでも地道に職場から、下からの運動と活動家づくりを積み重ねてきた。全米自動車労組、チームスターズ労組、教員組合など各ローカルで執行部を担い、さらに本部段階でも影響力を持つに至っている。AFL-CIOの中で職場からの変革を目指す勢力であり、2014年の大会にはAFL-CIO副会長のテフレ・ゲブレが参加した。また都市交通労組(ATU)やアメリカ郵便労組(APWU)の委員長も大会で発言している。

レイバー・ノーツは労働組合に結集していない、できない労働者の組織化でも大きな役割を果たしており、2014年の大会に平行して労働者センターの全国交流会が初めて開催された。また排他的交渉権を得た組合のない職場でも労働組合運動を展開する少数組合運動の推進者でもある。

AFL-CIOの教育研究組織であった全国労働大学NLCが2014年に閉鎖された現在、労働組合活動家の全国的な教育・交流ネットワークとしてLabor Notesの役割は一層重要なものになってきている。

4.トラブルメーカーズ
レイバー・ノーツは自らを誇りを持ってトラブルメーカーズと自称している。職場活動家は会社側から見れば「厄介者」でなければならない、という自負を表現している。職場で苦闘している数多くの活動家の経験をまとめ、次に続く人たちへの手引きとして出版した。それが、1991年に出版された『トラブルメーカーズ・ハンドブック1』と2005年に出版された『トラブルメーカーズ・ハンドブック2』の2冊である。

さらに、この2冊を踏まえて、組合活動家育成のための参加型ワークショップの手引きとして『オルグの成功の秘訣 Secrets of a Successful Organizer』を2016年に発行した。具体的な体験に基づいて47の秘訣を教えている。

また2006年からは「トラブルメーカー学校」を米国各地で開催している。小規模だが「レイバー・ノーツ大会と同じ目標と形態を持っている。労働組合、ワーカー・センター、地域団体の活動家、一般労働者を結集し、意見と手法を交流し、ネットワークを形成している。」この半日あるいは一日の教育講座は、昨年、ニューヨーク、サンフランシスコ、ポートランドなど7ヶ所で開催され、今年の11月に日本での開催が予定されている。

※ もっとレイバー・ノーツについて知りたい方は以下の資料を参照して下さい。
▼マット・ノイズ 「トラブル・メーカーズ・ハンドブック入門」
http://fair-labor.ws.hosei.ac.jp/rh-junpo/130325.pdf

▼山崎精一「レイバー・ノーツ大会とシカゴ教員ストライキ」
http://fair-labor.ws.hosei.ac.jp/rh-junpo/160625.pdf

2017年8月10日木曜日

シェアリングエコノミーと労働者の権利

71回社会運動ユニオニズム研究会
日時:2017926日(火)18:30-21:00 
場所:連合会館402会議室(御茶ノ水) 
報告:シェアリングエコノミーと労働者の権利 
   菅俊治さん(弁護士・東京法律事務所)
コメント:浦田誠さん(国際運輸労連本部内陸運輸部長) 

主催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
    法政大学大学院フェアレイバー研究所
    明治大学労働教育メディア研究センター
    Labor Now        

参加申込み:資料準備の都合上、参加をご希望の方は925日までに下記アドレスまでご一報下さい。
 b071429k(at)r.hit-u.ac.jp  (at)@に置き換えて送信下さい。

当日配付資料:菅報告資料(PDF)
                     浦田配付資料(PDF)

当日の映像
 
いま「シェリング・エコノミー」が、何ら規制のないまま広がっています。インターネットを介在し、個人や法人の遊休資産を活用して消費者に提供するという、一見聞こえの良いイメージだけが先行しています。しかし、7月の本研究会で取り上げたUber社に代表される「ライドシェア」は、世界中でタクシー産業を壊滅状態にし、多数の個人事業主による「白タク」を生みだし、多くの問題を引き起こしています。

次回研究会では、欧米で拡大する「シェリング・エコノミー」下で進む個人事業主化と労働者の権利侵害の実態、現行労働法や新たな法整備によって、どのように権利保護を進めていくべきか、を議論します。  

参考文献:全米雇用法プロジェクト「シェアリングエコノミーと労働者の権利」『季刊労働者の権利』Vol.319 / 20174月。

2017年7月4日火曜日

「ライドシェア」問題とは何か

第70回社会運動ユニオニズム研究会
日時:2017年7月31日(月)18:30-21:00
場所:連合会館401会議室(御茶ノ水) 

報告:「ライドシェア」問題とは何か
   川上資人さん(弁護士・東京共同法律事務所)
コメント:浦田誠さん(国際運輸労連本部内陸運輸部長)

主 催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
    明治大学労働教育メディア研究センター
    法政大学大学院フェアレイバー研究所
    Labor Now        

いま「シェリング・エコノミー」が、何ら規制のないまま広がっています。インターネットを介在し、個人や法人の遊休資産を活用して消費者に提供するという、一見聞こえの良いイメージだけが先行しています。

その代表的な企業として、世界中で事業展開を進めるUber社は、配車アプリを提供し、一般人のドライバーが運送サービスを行っています。外形上はタクシーと全く同じですが、ドライバーは個人事業主であり、交通事故の責任はドライバーが負います。

一方、Uber社は、配車アプリの提供で手数料を稼ぎ、運行事業者としての責任や雇用の責任を負いません。これまで日本では、「白タク」行為として禁止されてきましたが、政府はこれを国家戦略特区の「ライドシェア」として解禁しようとしています。

研究会では、「ライドシェア」問題を取り上げ、米国などの先進地域での実態を踏まえて、この問題について議論しました。

川上報告資料(PDF)
浦田報告資料(PDF)

参考文献
川上資人「『ライドシェア』問題とは何か」『季刊・労働者の権利』Vol.317/2016年10月。

研究会当日の映像は以下で視聴できます。開会前から収録されているため、28分20秒から研究会が始まります。



2017年6月27日火曜日

第6回辺野古公開講座「住民・自治体職員から見た米軍基地問題 —普天間、辺野古、高江」

公開講座「東京で考える沖縄・辺野古」(第6回)
住民・自治体職員から見た米軍基地問題
—普天間、辺野古、高江
日 時:2017年7月10日(月)18:30-21:00
場 所:明治大学駿河台キャンパス・グローバルフロント2階4021教室
地図 https://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

テーマ:住民・自治体職員から見た米軍基地問題—普天間、辺野古、高江
報 告:平良誠さん(浦添市職員、自治労沖縄県本部執行委員)

主 催:明治大学労働教育メディア研究センター
    明治大学島嶼文化研究所     
    一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター    
    Labor Now

※参加申込み:資料準備の都合上、参加をご希望の方は7月7日までに下記アドレスまでご一報下さい。
    labored(at)kisc.meiji.ac.jp  (at)を@に置き換えて送信下さい。

昨年の参議院選挙の翌日、政府は高江のヘリパッド増設工事を強行し、力ずくで「完成」させ、今年4月からは辺野古の新基地建設に関して護岸工事を推し進めています。沖縄の人々は新基地建設に反対して、闘いを継続しています。

今回の辺野古講座では、明治大学自治労寄付講座の講師として上京される平良誠さんを講師に開催します。平良誠さんは海兵隊普天間飛行場(宜野湾市)の南西側(滑走路の延長線上!)に隣接する浦添市で生まれ育ち、現在は浦添市職員として働いています。住民として、市職員として、職員組合や自治労県本部の役員として、米軍基地問題に向き合い、取り組んでこられました。これらの経験を踏まえて、「住民・自治体職員から見た米軍基地問題—普天間、辺野古、高江」について、お話しいただきます。ご関心あるみなさんのご参加を呼びかけます。

これまでの辺野古公開講座開催経緯