第96回社会運動ユニオニズム研究会
社会運動ユニオニズム研究会
「社会運動ユニオニズム研究会」は今後の労働運動のあり方や運動戦略を実践家と研究者が一緒に議論していくプロジェクトです。なお、社会運動ユニオニズムは、社会運動的な労働運動をさし、ビジネスユニオニズムとは対抗概念です。自らを社会運動の一つとして認識し、社会運動の戦略や戦術を採用し、社会運動と連携する特徴を持っています。
2024年9月10日火曜日
2024年2月8日木曜日
移住労働者の差別待遇に和解的勝利
第95回社会運動ユニオニズム研究会
移住労働者の差別待遇に和解的勝利
場所:zoom
主催:明治大学労働教育メディア研究センター、労働政策グループ
報告:鶴丸 周一郎さん(名古屋ふれあいユニオン委員長)
外国人・非正規という二重の差別を受けて闘ってきたブラジル人5名を原告とする裁判が勝利的和解を勝ち取った。基本給・賞与のほか、退職金にも差別があり、労働基準法第3条と旧労働契約法20条違反の是正、同一労働同一賃金を求めていた。和解の内容は、正社員として雇用し、過去分の賞与と退職金のうち一定額を会社が支払うなどである。報告者は、原告のブラジル人と正社員との信頼関係や、原告の仕事への真摯な態度と信頼度などを指摘した。
1 従業員の区分と差別
2 労基法3条と旧労働契約法20条に違反
3 争点は職務と職責
4 和解の条件について
5 争点にならなかった重要な点
6 裁判をふりかえって
2024年1月4日木曜日
フリーランスに光を〜コミュニティ・ユ ニオン全国交流集会で報告
第94回社会運動ユニオニズム研究会
フリーランスに光を〜コミュニティ・ユ ニオン全国交流集会で報告
場所:zoom
主催:Labor Now Future、明治大学労働教育メディア研究センター
報告:土屋俊明さん(ウーバーイーツユニオン)、塙律子さん(ヨギーインストラクターユニオン)
2023年11月26日、フリーランスユニオン共同代表の土屋俊明さん(ウーバーイーツユニオン)と塙律子さん(ヨギーインストラクターユニオン)は熊本にいた。コミュニティ・ユ ニオン全国交流集会で、自分たちの置かれている現状と組合活動について報告するためである。同交流集会は1989年から全国のコミュニティ・ユニオンの組合員を集めて、各地持ち回りで開催してきた。今年は初めて分科会「フリーランス」を開催し、雇用でない働き方にも光を当てる。そこで土屋さんは、直面しているインボイス制度の問題について、塙さんは、フリーランスにも労働者性の可能性があることを訴えた。分科会の様子について2人に聞いた。
2023年4月12日水曜日
ユニオンの実際 〜名古屋ふれあいユニオンの活動をとおして
第93回社会運動ユニオニズム研究会
ユニオンの実際 〜名古屋ふれあいユニオンの活動をとおして
今年1月、沖縄大学で学部生を対象に「ユニオンの実際」というタイトルの講義が行われた。講師は、自身の労働相談から名古屋ふれあいユニオンに加盟し、現在は同ユニオン委員長を務める。講義では、同ユニオンに加盟した経緯やユニオンの役割などについて解説した。最後に、学生たちに次のように問いかける。いまユニオンは必要ですか? 学生の反応やユニオンの課題について聞いた。
2022年8月10日水曜日
つながることでパワーアップ〜フリーランスユニオン
第92回社会運動ユニオニズム研究会
つながることでパワーアップ〜フリーランスユニオン
2018年、ヨガなどのインストラクター(指導員)たちが自らユニオンを結成した。それまで業務委託契約による働き方だったが、突然の経営方針の変更により、一方的な指揮命令や研修の受講などを強要され、納得できなかった彼らは、会社との話し合いを求めてユニオンを結成したのだ。その後コロナをへて、さまざまなトラブルなどを乗り越えて今に至る。「内部でどうやって人をまとめていけばいいのか、すごく苦しい時期があった。」と語るユニオン委員長の塙さんは、今年3つのユニオンと合同で「フリーランス・ユニオン」を結成した。現在に至るまでの経緯について聞いた。
1 インストラクターの働き方
2 なぜユニオンを結成したのか?
3 ユニオンの活動スタイル
4 さらに「フリーランス・ユニオン」を結成した理由
2022年5月3日火曜日
労働組合でない労働運動の役割・課題・可能性 ~「はむねっと」の活動をとおして
第91回社会運動ユニオニズム研究会
労働組合でない労働運動の役割・課題・可能性
~「はむねっと」の活動をとおして
「コロナ禍で、女性たちの生活が貧困に晒されている。なぜなのか? それはこれまで覆い隠されてきた、あえて直視してこなった、労働社会が抱える構造的問題に依る。「公務非正規女性全国ネットワーク」は、公共サービスの現場で働く女性たちの声を集め、「公務非正規」の問題をあぶり出して見せた。このままでよいはずがない、と。」
1 自己紹介
2 「公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)」について
3 「はむねっと」2021年調査について
4 非正規が中心の運動
5 既存の組織や労働組合とどうつながるのか?
6 労働組合ではない労働運動
7 2022年度末の「3年雇止め・公募」が大きな課題
2022年4月12日火曜日
労働者委員になって
第90回社会運動ユニオニズム研究会
労働者委員になって
「労働委員会とは、労働者が団結することを擁護し、労働関係の公正な調整を図ることを目的として、労働組合法に基づき設置された機関」(厚生労働省)。一般の人には馴染みのない「労働委員会」だが、都道府県労働委員会と中央労働委員会があり、使用者委員、労働者委員、公益委員の三者で組織されている。東京都では年間約100件の申し立てがある。2021年12月から「労働者委員」になった報告者が、労働委員会の役割について語る。
1. 経過
2. 調査期日の流れ
3. 労働委員会の課題
4. 労働委員会の役割と希望
2021年5月31日月曜日
美々卯スラップ訴訟について
美々卯スラップ訴訟について
報告者は2020年7月、「ダイヤモンドオンライン」に東京美々卯の解散・解雇についての取材記事を掲載し、企業側に「名誉毀損」で訴えられる。請求は損害賠償1100万円ほか。批判的言論を口封じするための高額訴訟(いわゆるスラップ)が不法行為にあたることは、当事者の反訴と社会的運動によって、判例法理として確立している。企業側の狙いとは?
1. おもな経過
2. 裁判を使った批判封じの違法性
3. 労働組合活動に対する近年のおもなスラップ訴訟
2021年3月17日水曜日
非常勤職員の組織化の到達点と課題
第88回社会運動ユニオニズム研究会
非常勤職員の組織化の到達点と課題
国の労働行政では、定員削減が続く一方、不安定な雇用と低処遇を強いられた非常勤職員が増加してきました。全労働省労組は2003年に非常勤職員の組織化方針(単一組織に結集)を決め、現在、組合員の1割に相当する約1.500人を迎え入れ、常勤・非常勤が信頼を深め、力を合わせて運動を進めています。
これまで賃金、諸手当、休暇制度等の面で切実な要求を前進させてきましたが、毎年の契約更新に加え、3年毎に現に就いているポストを求人として内外に公開し、同僚や新規求職者と競わせる「パワハラ公募」が非常勤職員を苦しめており、その廃止が目下の重点目標となっています。
1. 非常勤職員の組織化の経緯
2. 組織化をめぐる議論の特徴
3. 要求実現に向けた具体的な取り組み
4. 要求の前進状況
5. パワハラ公募の深刻な「人権侵害」
6. 当面する課題
2020年12月23日水曜日
プラットフォームワーカーたちのユニオン運動
コロナの影響で雇用の流動化が加速しています。コロナ以前に指摘されていたギグワークや個人請負で働く労働者たち。特に、ウーバーイーツなどの配達員が増えると同時に、事故も増えています。しかし、彼らに何ら補償はありません。一方、同様の問題を抱える韓国では、労使双方が解決をめざして画期的な労働協約が結ばれました。そこに至った背景を探りながら、日本での解決の可能性について議論します。
日時: 2021年1月24日(日)午後2~4時
場所:Zoom
参加費:無料
主催:法政大学フェアレイバー研究所
協力:社会運動ユニオニズム研究会
内 容:
進行:浅見靖仁さん(法政大学教授)
開会挨拶:上西充子さん(法政大学教授)
1 ユニオン報告 30分
土屋俊明さん(ウーバーイーツユニオン執行委員長)
聞き手・天野理さん(東京労働安全衛生センター)
2 プラットフォームワーカーをめぐる国内外の情勢 30分
呉 学殊さん(JIL労使関係部門・統括研究員)
韓国プラットフォーム配達労働に関する協約について
国内フリーランス調査結果について
3 コメント 15分
田端博邦さん(東京大学名誉教授)
菅俊治さん(弁護士)
林大樹さん(一橋大学名誉教授)
4 質疑応答 40分
「年越し派遣村」運動と労働運動
第87回社会運動ユニオニズム研究会
「年越し派遣村」運動と労働運動
2020年のコロナ禍のなか、2008年の「年越し派遣村」を思い返す人は多い。「年越し派遣村」運動はなぜ、社会に大きなインパクトを与えることができたのか。現在のコロナ禍の政治・労働運動とともに考える。
1. 「年越し派遣村」が思い返されていることをどうみるか
2. 「年越し派遣村」前史
3. リーマンショックによる世界的な大量解雇と「年越し派遣村」
4. 「年越し派遣村」
5. 派遣法抜本改正と派遣切り争議
6. 「年越し派遣村」運動の意義と限界
2020年6月8日月曜日
海外における新型コロナウイルスによる 交通運輸労働者やギグ労働者への影響と労働組合の取り組み
2019年11月26日火曜日
公正な組織づくりワークショップ ―北米女性労働運動夏合宿・SIUW2019参加報告会―
2019年9月1日日曜日
シンポジウム 「女性」から考える非正規公務問題 ~会計年度任用職員制度・相談支援業務から女性の貧困まで
第85回社会運動ユニオニズム研究会
■日時:2019年9月22日(日) 13時30分から17時(開場:13時)
■会場:東洋学園大学 1301教室
東京都文京区本郷1丁目26-3
アクセスマップ https://www.tyg.jp/access/index.html
最寄り駅:本郷三丁目/水道橋/後楽園 いずれからも徒歩
■資料代: 500円
■参加申込不要 当日会場に直接お越しください。
非正規公務員の増加が問題になっている。その4分の3は女性だ。
多くが年収200万円そこそこのワーキングプア水準で、DV相談をはじめとした相
談員や司書、保育士、学校給食調理員、女性関連施設職員等の公務の基幹的業務
に従事している。その事実は、これまで正面から問題化されることは少なく、女
性運動の中でも十分には焦点とされてこなかった。だが、そこからは、公務の軽
視による財政難を、女性の低賃金と不安定雇用で乗り切ろうとする行政と社会の
姿勢、女性が担うケア的公務に対する「家事ハラ」とこれによる住民の生活悪化、
その結果、招き寄せられる女性や子どもの貧困・虐待、など、さまざまな問題点
が見えてくる。
この集会では、公務非正規化の大きな転換として2020年4月から始まる「会計年
度任用職員制度」を前に、女性が多くを占めてきた非正規公務の実態と課題をあ
らためて浮き彫りにするとともに、公務非正規や民間委託で働く現場の声を出し
あい、住民にとっても、働き手にとっても、重要な“公務の立て直し”に向けて、
いま何が必要なのかについて考えあう場をつくっていきたい。
プログラム
◆基調講演:戒能民江(お茶の水大学名誉教授)「相談支援と非正規公務(仮題)」
◆パネルディスカッション:
コーディネーター:竹信三恵子(ジャーナリスト・NPO法人「官製ワーキングプア
研究会」理事・和光大学名誉教授)
パネリスト:上林陽治(自治総研・「官製ワーキングプア研究会」理事)
瀬山紀子(自治体非常勤職員)
山岸 薫(ハローワーク非常勤職員)
渡辺百合子(元NPO法人「げんきな図書館」代表)
主催:「女性」から考える非正規公務問題シンポジウム実行委員会
賛同:明治大学労働教育メディア研究センターほか