2013年10月5日土曜日

「労働者派遣制度をめぐる危険な動向と今後の課題」

第37回社会運動ユニオニズム研究会(終了)

「労働者派遣制度をめぐる危険な動向と今後の課題」
報告者:小川英郎さん(弁護士、ウェール法律事務所)
日 時:2013年10月4日(金)
共 催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
    明治大学労働教育メディア研究センター
    Labor Now
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厚生労働省の「今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会」は8月20日、現行制度の大幅変更を求める「報告書」をとりまとめました。
これは、政府の規制改革会議答申(6月5日)における、「労働者派遣法の規制の根拠である『常用代替防止』は正社員の保護を目的としており、派遣労働者の保護とは必ずしも相容れない」とする、現行の労働者派遣制度の規制体系、規制方法への抜本的な見直しに呼応しています。
労働者派遣制度の「報告書」の主な内容は次のとおりです。「常用代替防止」原則を見直し、無期雇用については派遣期間制限を撤廃し、事前面接も解禁する。有期雇用については、3年の派遣期間上限は維持するものの、派遣先の労使が合意すれば、人を入れ替えて3年を超える受入を可能とする、などです。加えて、2012年改正法(労働契約申込みみなし制度)の「改正」にも言及しています。今後は、労働政策審議会を舞台に「報告書」を受けた法改正の内容が議論される見通しです。
こうしたなか、研究会を開催し、労働者派遣制度の特徴、前記研究会が示した見直し方向の危険性等について、労働法制に詳しい小川弁護士の報告を受けながら、議論を深めました。

今後の労働者派遣制度のあり方に関する研究会報告書(2013年8月20日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000016029.html

規制改革会議答申(2013年6月5日)
http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/publication/130605/item1.pdf

2012年改正労働者派遣法の概要
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/haken-shoukai/kaisei/01.html

当日配布のレジュメ
http://www.jca.apc.org/labornow/SMU/20131004.pdf

当日配布の参考資料
日本労働弁護団「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会報告書」に対する意見書
http://roudou-bengodan.org/proposal/detail/post-49.php
日本弁護士連合会「日本再興戦略における労働法制の規制緩和に反対する意見書」http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2013/opinion_130718_2.pdf