「社会運動ユニオニズム研究会」は今後の労働運動のあり方や運動戦略を実践家と研究者が一緒に議論していくプロジェクトです。なお、社会運動ユニオニズムは、社会運動的な労働運動をさし、ビジネスユニオニズムとは対抗概念です。自らを社会運動の一つとして認識し、社会運動の戦略や戦術を採用し、社会運動と連携する特徴を持っています。
2011年12月6日火曜日
福島の子供たちの現状と『子供たちを放射能から守る福島ネットワーク』の活動について(終了)
2011年11月5日土曜日
香港のNGOから学んだこと(終了)
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第17回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
日 時:2011年12月17日(土)
テーマ:香港のNGOから学んだこと
報告者:平野 太一さん
共催:LaborNow
明治大学労働教育メディア研究センター
一橋大学フェアレイバー研究教育センター
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平野太一さんから自己紹介と報告課題
大学卒業後、中小系の印刷会社の営業として入社。勤続3年3か月。会社は、ルートセールスで売上をあげていた。入社半年過ぎた頃から、多忙であり、心身を壊し休職。休職中に、ある労働組合に加盟。会社との団体交渉を通じて、未払いの残業代などを獲得し、退社。
退社後、組合員を続けながら労組で、ボランティアスタッフとして活動をした。その中で、日本の社会運動に疑問を持ち始め悩んでいるときに、香港のNGOの一つであるAsia Monitor Resource Centreのインターン制度の話を聞き、インターンとして2011年4月~10月、香港や中国の社会運動に参加した。
報告内容
(1)香港編
団体交渉権をもたない香港の労働組合が、どうやって労働者を組織していくのか。また、中国本土の御用組合の息が掛かったナショナルセンターと台湾系のナショナルセンター、そしてそこにも属さない独立系のナショナルセンターがどうやって誕生したのか。そして、コミュニティベースのNGOが生まれた背景と今の役割はうなっているのか。
(2)中国編
GDP世界2位となり、目まぐるしい経済発展を遂げる中、その光 を支える農民工と呼ばれる出稼ぎ労働者が、どういう状況にあるのか。団体交渉権は認められているものの、ストライキ権をもたない労働者。御用組合と批判されるACFTU以外の組織が労働者を組織化することが許されないという中で、中国のNGOや香港のNGOは、どのようにして未組織労働者を組織化していくのか。アジアの発展途上国は、中国の経済システムをモデルにしている中、中国はますます、複雑になってきている。
参考論文
2011年10月31日月曜日
Occupy Wall Street (ウォール街を占拠しよう)by Labor Now Report
「Occupy Wall Street (ウォール街を占拠しよう)by Labor Now Report 」をスタートしました。ニューヨークからOccupy Wall Streetの一端を伝えます。今後順次更新しますので、以下のサイトをご覧ください。
http://labornowreportows.blogspot.com/
2011年10月12日水曜日
原発労働者と被曝をめぐって~これまでの取り組みとこれから(終了)
■参考リンク
■参考文献
LABOR NOW脱原発ビデオ・プロジェクト「福島原発震災と反原発運動の四六年―石丸小四郎さん(双葉地方原発反対同盟代表)に聞く」『労働法律旬報』1754号(2011年10月25日発行)
2011年7月17日日曜日
7/16公開研究会「移住労働者センターの活動〜カナダの移住労働者の現状と運動」(終了)
第15回社会運動ユニオニズム研究会公開研究会
日 時:2011年7月16日(土)18:00~21:00
テーマ:移住労働者センター(Immigrant Workers Centre @モントリオール、カナダ)の活動〜カナダの移住労働者の現状と運動
報 告:Mostafa Henawayさん(同センターのコミュニティ・オーガナイザー)
通 訳:鈴木玲さん(法政大学大原社会問題研究所)
主 催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
明治大学労働教育メディア研究センター
Labor Now
移住労働者センター(Immigrant Workers Centre)のウェブサイト(英語・フランス語・スペイン語)
http://iwc-cti.ca/
2011年7月9日土曜日
7/9公開研究会「日本の労働運動戦略を考える~ILO理事経験を踏まえて」(終了)
日 時:2011年7月9日(土)13:30~17:30
テーマ:日本の労働運動戦略を考える~ILO理事経験を踏まえて
報 告:中嶋滋さん(ILO前労働側理事、ILO活動推進日本協議会専務理事)
主 催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
明治大学労働教育メディア研究センター
報告者の中嶋さんは、1969年に自治労本部書記局に入職され、以後、自治労運動から国際労働運動に関わりを持ってこられました。1990年から自治国際局長、1999年から連合本部総合国際局長、2004年から2010年12月までILO労働側理事を務められました。
研究会では、自治労や連合での経験、国際労働運動やILO労働側理事として取り組まれたこと、特に、国際労働基準が「工場の門前で立ちすくむ」日本の現実、労働者・労働組合が直面する課題にどう取り組んでいったらよいか、どのような運動戦略を構想したらいいかを報告いただきました。
報告資料
レジュメ「労働組合運動の将来を考える〜私的経験からの提言試み」(PDFファイル)
資料「国際労働基準の適用に関する 日本の実態と課題」(PDFファイル)
労働法律旬報に掲載した報告内容
参考ウェブサイト
ILO活動推進日本協議会
http://iloj.org/
2011年6月1日水曜日
労働組合運動の再活性化に関する論文の紹介
鈴木玲「労働組合再活性化の諸概念と日本の組合活性化の課題」連合総研『月刊レポートDIO』No.260、2011年5月1日
http://rengo-soken.or.jp/dio/pdf/dio260.pdf
2011年5月19日木曜日
アメリカの最近の労働運動に関する論文をアップしました
高須裕彦「『抵抗』を掲げるアメリカ労働運動:共和党右派・茶会グループからの攻撃に対して」『現代の理論』27号(2011年4月11日発行)
2011年5月18日水曜日
第13回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
日時:2011年5月12日(木)18:30~21:00
テーマ:最近の韓国労働運動の動向と展望
報告:金榮俊(キム・ヨンジュン)さん(労働者教育センター運営委員)
当日の配布資料
パワーポイント(PDFファイル)
レジュメ(PDFファイル)
2011年5月5日木曜日
「東日本大震災と福島原発人災〜私たちは何をなすべきか」公開研究会(終了)
日 時:2011年4月30日(土)13:30〜19:00
テーマ:東日本大震災と福島原発人災〜私たちは何をなすべきか(第2弾)
第一部 拡がる放射能汚染
・チェルノブイリ原発事故に関するビデオ上映
・報告1・労働者と住民に対する被曝の影響〜チェルノブイリ原発事故を踏まえて:平野敏夫さん(東京労働安全衛生センター代表理事、亀戸ひまわり診療所医師)
・報告2・福島原発の現状〜拡がる放射能汚染:菅井益郎さん(國學院大學)
・報告3・放射線防護と海洋汚染〜国際法の視点から:中嶋滋さん(ILO前労働側理事)
第二部 脱原発社会への転換をめざして
・報告4・原発依存からどう脱却するか〜自立したまちづくりを考える:伊藤久雄さん(東京自治研究センター)
・報告5・総括原価方式と電力供給システムの問題点:菅井益郎さん
・議論:労働者・市民として、何をなすべきか(グループ議論と全体議論を予定)
共 催:一橋大学社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
明治大学労働教育メディア研究センター
Labor Now
関係リンク
1)菅井益郎さんが関与された福島県飯舘村の放射能汚染調査
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/seminar/No110/iitatereport11-4-4.pdf
2)放射線防護〜ILO条約
駐日事務所メールマガジン・トピック解説 労働者の放射線護(2011年3月31日)
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/feature/2011-03.htm
115号条約(電離放射線からの労働者の保護に関する条約)(日本は批准)
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/st_c115.htm
114号勧告(電離放射線からの労働者の防護に関する勧告)
http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/st_r114.htm
3)海洋汚染防止ロンドン条約
1972年の廃棄物その他の物の投棄による海洋汚染の防止に関する条約・ロンドン条約1996年議定書(日本は批准)
(環境省)http://www.env.go.jp/info/iken/h151201a/a-2-s1.pdf
(外務省)http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/treaty166_5.html
佐藤優のコラム http://news.livedoor.com/article/detail/5468191/
4)伊藤久雄「原発依存からどう脱却するか─自立したまちづくりを考える」『世界』2011年1月号
http://www.iwanami.co.jp/sekai/2011/01/directory.html
2011年3月27日日曜日
3/26「東日本大震災と福島第一原発〜私たちは何をなすべきか」公開研究会(終了)
■第11回社会運動ユニオニズム研究会
日 時:2011年3月26日(土)13:30~19:00
テーマ:東日本大震災と福島第一原発〜私たちは何をなすべきか
報告1:福島第一原発の現状:菅井益郎さん(國學院大學)
報告2:海外メディアはどう伝えているのか:山崎精一さん(LaborNow共同代表)
報告3:放射線と放射性物質〜外部と内部の被曝をめぐって
:平野敏夫さん(東京労働安全衛生センター代表理事、亀戸ひまわり診療所医師)
報告4:いま労働運動は何をなすべきか:中嶋滋さん(ILO前労働側理事)
共 催:一橋大学大学院社会学研究科フェアレイバー研究教育センター
Labor Now
福島第一原発の現状については「原子力資料情報室」のサイトを参照下さい。
http://www.cnic.jp/
LaborNowのサイト
http://www.jca.apc.org/labornow/
http://labornow.blogspot.com/
2011年1月31日月曜日
第10回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
日 時:2011年1月29日(土)
報告者:小畑精武さん(自治労公共民間労組評議会・アドバイザー)
国や自治体などの入札における談合とダンピングがあいかわらず後を絶ちません。安さを求める競争入札はこの間公共サービスにおける雇用の不安定化、生活できない賃金、そして公共サービスの質への不安をつくりだしてきました。
安 さだけを追求する入札から、従事する建設労働者や委託労働者の賃金の最低額や雇用継続を入札や落札の条件として、さらに自治体が政策として追求する環境、 人権、福祉など社会的価値を自治体の入札・契約の中で定めていこうとするのが「公契約条例」です。官製ワーキングプアを生み出す価格一本の競争入札制度を やめて、豊かな地域社会をつくるために、地域が幸せになる<新しい公共>ルールとしての公契約条例の制定がいまこそ必要です。
2009年の野田市に続き、2010年には政令市ではじめて川崎市が全会一致で公契約条例を制定しました。さらに札幌市や国分寺市、相模原市が続き、全国に広まろうとしています。
当日は、自治労で公契約条例制定の運動を取り組んでこられた小畑精武さんに、公契約条例の意義やこれまでの取組み、各地の条例の特徴、今後の展望と課題について報告をいただき、議論しました。
小畑さんへのインタビュー「公契約条例で幸せになろう」(13分)
2011年1月14日金曜日
公開研究会〜アメリカ労働法の機能不全と改革の展望(終了)
1月に早稲田大学の招聘で来日されるアメリカの労働法研究者カール・クレアさんを迎えて、公開研究会を開催します。リーマンショックに代表されるアメリカの金融危機の原因の一つにアメリカ労働法の脆弱性があることを様々な側面から明らかにしたクレア氏の報告を受けて、アメリカにおける政治状況や労働運動・社会運動の現状と機能不全に陥った労働法について、議論をしました。
公開研究会〜アメリカ労働法の機能不全と改革の展望
●日 時:2011年1月14日(金)
●報告者:カール・クレアさん(ノースイースタン大学ロ-スクール教授)
●通 訳:松元千枝さん(フリーランス・ジャーナリスト)
●カール・クレア(Karl Klare)さんの紹介
カール・クレアさんは、現在、ノースイースタン大学ロ-スクールの教授で、国際的にも著名な労働法研究者である。同氏は、コロンビア大学を卒業後、イエール 大学で政治学の修士号を取得し、その後ハーバード大学ロースークールを修了し、教職についている。政治学者の時代にディック・ハワード(Dick Howard)と共に書いたThe Unknown Dimension: European Marxism Since Leninは『レーニン以後のマルクス主義』(川喜多喬訳)として日本語にも翻訳されている。学生時代から公民権運動やベトナム反戦運動に参加し、法学者になってからは、批判法学(Critical Legal Studies)運動の創設にもかかわっている。労働法の分野では、国際的な労働法研究者・実務家のネットワークである、International Network on Transformative Employment and Labor Law)のコーディネーターの一人である。最近の著作としては、Labor Law in an Era of Globalization: Transformative Practice & Possibilities (Oxford University Press)、翻訳された報告論文に「労働のための新たな『ニューディール』?:アメリカ合衆国の労働法、雇用法に対するグローバル経済危機の影響」戒能通厚・石田眞・上村達男編『法創造の比較法学—先端的課題への挑戦』所収がある。
2010年12月23日木曜日
第9回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
報告1:Asia Floor Wage(アジア最低賃金)キャンペーンと地域における賃金の引き上げ
報告者:ステファニー・ルースさん
(ニューヨーク市立大学マーフィー労働者教育・労働研究機構・准教授)
報告2:中間選挙後の米国の労働者と労働運動をめぐる状況とLabor Notesの戦略
報告者:マーク・ブレナーさん(Labor Notes・ディレクター)
通 訳:ルイス・カーレットさん、山崎精一さん
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12月に米国から活動家でかつ研究者であるステファニー・ルースさん(ニューヨーク市立大学)とマーク・ブレナーさん(Labor Notes)が来日されます。今回の研究会では、お二人の報告を受けて、労働運動の現状や今後の運動戦略について相互に交流議論をしました。
当日の報告内容は『労働法律旬報』に掲載しました。以下からダウンロードできます。
翻訳・構成 山崎精一「社会運動ユニオニズム研究会報告--アメリカから二人の活動家&研究者を交えて」『労働法律旬報』1738号(2011年2月25日発行)掲載
また、近日中に、ビデオ映像(YouTube)を公開予定です。
■ステファニー・ルース(Stephanie Luce)さん:2010年から現職。マサチューセッツ大学アマースト校レイバーセンターで米国各地の生活賃金条例制定運動を調査してこられました。2001年に来日され研究会で報告を受けました(「アメリカにおける生活賃金運動」国際労働研究センター編著『社会運動ユニオニズム:アメリカの新しい労働運動』緑風出版、2005年を参照)。その後、研究と活動の領域を広げられ、アジアのアパレル産業の下請労働者の賃金を引き上げるAsiaFloorWage(アジア最低賃金)キャンペーンに、欧米アジアの労働組合や労働NGOと共に関与しながら、研究を進められています。これは先進国労働運動が連帯した南の世界の新しい賃金引き上げ運動のモデルとして提起されています。このキャンペーンについて報告をいただきました。
Asia Floor Wage(最低賃金)キャンペーン
http://www.asiafloorwage.org/
■マーク・ブレナー(Mark Brenner)さん:マサチューセッツ大学アマースト校の教員を経て、2005年から現職。LaborNotesは、アメリカの労働組合の改革派や草の根の活動家たちの全国的なネットワーク。2年に1回、全国交流集会をデトロイトで開催しています。共和党が勝利した中間選挙の結果を受けて、労働者・労働運動をめぐる状況と、それに対し労働運動はいかなる運動を展開しているのか、特にLaborNotesの運動と戦略について報告いただきました。
Labor Notes
http://www.labornotes.org/
■後援:Labor Now(開催費用について助成を受けました)
2010年10月13日水曜日
第8回研究会のビデオ記録をLaborNowTVにアップしました。
http://www.jca.apc.org/labornow/labornowtv/konohito/tabata.html

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第8回社会運動ユニオニズム研究会(終了)
〜幸せになる資本主義〜
日 時:2010年8月23日(月)
テーマ:幸せになる資本主義
報 告:田端博邦さん(東京大学名誉教授)
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[以下は開催呼びかけ文です]
今回の研究会では、田端博邦さんの新著『幸せになる資本主義』(朝日新聞出版、2010年6月)を取り上げます。
昨年、歴史的な政権交代が実現したかにみえました。今年7月の参院選では与党の敗北という結果に終わり、やはり世の中は変わらないのではないか、という失望 感が広がっているようにみえます。田端さんは、日本の政権交代というよりも、リーマン・ショックの金融危機やアメリカのオバマ政権の成立が世界を変えるの ではないか、と主張します。
2〜3年前と比較すると世の中の雰囲気はかなり変わっています。いまは「新自由主義の時代」が終わりを告げる 世界史の転換点にあるのではないでしょうか。この本には歴史の進み方は複雑だという指摘もあります。私たちの日常的な活動の意味や、日本の労働運動の将来 を考えるうえで、役立つヒントが得られるのではないかと思います。
研究会では、田端さんを交えて資本主義の現在と未来、私たちの労働や生活、今後の労働運動のあり方を議論したいと思います。ご関心あるみなさまの参加を呼びかけます。
なお、今回の研究会はビデオ録画を行い、後日、インターネット上で配信致します。そのため、対談方式を取り入れるなど通常の研究会とは異なった開催方法となります。また、出席者のみなさまにご協力をお願いすることもありますので、あらかじめご了解ください。
2010年5月26日水曜日
第6回・第7回研究会を開催しました
日 時:5月22日(土)
テーマ:ヨーロッパの社会経済改革に学ぶ~オランダの挑戦を中心に
報 告:久保隆光さん(明治大学商学部兼任講師)
共 催:明治大学労働教育メディア研究センター
当日の報告内容をもとにした論文を『労働法律旬報』に掲載しました。
「オランダにおける社会政策の展開とワーク・ライフ・バランス政策への収斂(上)」〔『労働法律旬報』1730号(2010年10月25日発行)掲載〕
「オランダにおける社会政策の展開とワーク・ライフ・バランス政策への収斂(下)」〔『労働法律旬報』1732号(2010年11月25日発行)掲載〕
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第7回社会運動ユニオニズム研究会
日 時:5月26日(水)
テーマ:国際運輸労連(ITF)の歴史と課題
報 告:浦田誠さん(国際運輸労連本部内陸運輸部会部長)
当日配布資料はここをクリックすればダウンロードできます。
当日の報告内容をもとにした論文を『労働法律旬報』に掲載しました。
浦田誠「ITFの歴史と題課」〔『労働法律旬報』1734号(2010年12月25日発行)掲載〕
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[以下は開催呼びかけの案内文です]
第6回社会運動ユニオニズム研究会
ヨーロッパの社会経済改革に学ぶ~オランダの挑戦を中心に
オランダはワークシェアリングを社会全体で敢行し、失業の改善に成功しています。また、非正規雇用労働者と正規雇用労働者の労働条件を均等化し、同一価値労働・同一賃金の確立、社会保険加入などが進み、社会格差が是正されています。
この社会経済改革(オランダ・モデル)によって、オランダでは夫婦やカップルがお互いにパートで働く、あるいはパートとフルタイムの組み合わせ働く「コンビネーションモデル(1.5稼ぎ)」という新しい労働のあり方が生まれ、ワークライフ・バランスが実現可能な社会になっているといわれています。また、オランダやデンマークでは、「労働時間の調整」「解雇の自由」という『フレキシビリティ(柔軟性)』と、『セキュリティ(社会保障)』とを抱き合わせた『フレキシキュリティー』という政策が導入されています。この政策も新しい労働社会のあり方のひとつとして注目されています。
そこで第6回となる本研究会では、久保隆光さんをお招きして、オランダ・モデルを中心にご報告いただき、日本の現状を改善する糸口を探してみたいと思います。久保さんは、オランダの労働市場改革などを中心に研究され、明治大学商学部の兼任講師を務められています。
日 時:5月22日(土)
テーマ:ヨーロッパの社会経済改革に学ぶ~オランダの挑戦を中心に
報 告:久保隆光さん(明治大学商学部兼任講師)
共 催:明治大学労働教育メディア研究センター
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第7回社会運動ユニオニズム研究会
国際運輸労連(ITF)の歴史と課題
今回はGUF(Global Union Federation、国際産業別労働組合組織)の一つである「国際運輸労連(ITF)」に焦点をあてて研究会を開催します。
ITFは、ロンドンに本部を置き、陸海空の労働組合が世界154ヶ国から加盟しています。ITFの結成は、ロッテルダムの港湾ストを英国船員が支援したことを直接的な経過とし、1896年7月に結成されました。以来100年余の道のりの中で、世界大戦や東西冷戦などの影響を受けながら、紆余曲折を経て今日まで活動を続けています。とりわけ、90年代以来のグローバリゼーションの大波を受けて、ITFの活動もかつてないほど重要性を増し、多様な取り組みが実践されてきました。
本研究会では、私鉄総連出身で、ロンドンのITF本部に勤務されている浦田誠さんに、ITFの100年余の歴史と現状、今後の課題について報告いただき、グローバル化の時代の国際労働運動のあり方について議論していきたいと思います。
第7回社会運動ユニオニズム研究会
日 時:2010年5月26日(水)
テー マ:国際運輸労連(ITF)の歴史と課題
報 告:浦田誠さん(国際運輸労連本部内陸運輸部会部長)
[浦田誠さんから寄せられた報告主旨]
ITF(国際運輸労連)は、ロンドンに本部を置く国際労働団体で、陸海空の組合が世界154ヶ国から加盟しています。ITFの結成は、ロッテルダムの港湾ストを英国船員が支援したことを直接的な経過とし、1896年7月に結成されました。また、それ以前にも、産業革命による飛躍的な物流の発展により、モノを運ぶ交通運輸労働者の国際的な連携が歴史上初めて生まれ、ロンドンの港湾ストにブリズベーンの組合がカンパを送ったり、アイルランドの船員労組が海外に支部を結成した史実がITFの前史に記されています。
しかし、労働者の団結はいつの時代も、政府や使用者から疎んじられるもので、ITFの結成と同時に活動家たちがブラックリストに載せられ、直後のハンブルグ港争議で敗北するなど、1904年には早くも本部をドイツに移転し、鉄道労組の指導の下、労使協調路線を敷き、加盟人員の拡大に努力する時期に入ります。しかし、これも第一次世界大戦の勃発で、重大な危機に直面します。各国の組合がそれぞれの政府の戦争政策を支持したため、労働者の国際連帯は止まり、ITFも数年間機能停止に陥ったのです。ようやく1919年にアムステルダムで再建大会を勝ち取り、オランダ人指導者、エド・フィメンの下、ファシズムに反対する運動と欧州以外の組合を勧誘する活動を展開します。
このように、ITFの歴史は大きな紆余曲折をその後も数回重ね、今日に至っています。とりわけ、この10年はグローバリゼーションの大波の中、ITFの活動もかつてないほど重要性を増し、多様な取り組みが実践されてきました。この先10年あるいは20年を見据えるためには、過去を謙虚に学ぶことが必要です。「歴史は繰り返す」というなら、また停滞の時期を経験するのか。それともこれまで蓄えた力を残し、新たなる課題に立ち向かっていくのか。ITFは、大きな岐路に立たされているのです。
こうした113年の歴史を研究会では検証すると共に、参加者の皆さんの体験などに照らし合わせた上で、ITFに留まらず、広範な国際労働運動の将来について議論できれば幸いです。とりわけ、私が担当する部会では、ITFの活動をできるだけ職場に近いところで設定できるよう近年努力してきました。果たしてそのアプローチが日本の皆さんにも通用するのか、ご意見頂きたく思います。
どんな時代であれ、どんな課題を背負うにせよ、労働者の国際連帯を促進させることがITFの使命であります。そうした意味では、イランの労働運動を支援する闘いや、トルコの大量解雇者撤回闘争など、ここ数年で大きな盛り上がりを見せた運動もあります。そこで使われた様々なキャンペーン技術を検証し、これをどのように応用していくことができるのかもいま大きく問われています。アメリカでは、SEIU委員長が引退を表明し、イギリスではかつてないほどスト権などの権利が蹂躙されています。こうした時代の流れを敏感に感じ取りながら、次の時代を創っていく議論ができれば幸いです。
浦田誠(国際運輸労連内陸運輸部会部長)
2010年4月18日日曜日
第5回社会運動ユニオニズム研究会を開催しました
テーマ: 労働運動をジェンダー視点で振り返る〜 女性労働運動の現状と課題
報 告:片岡千鶴子さん(連合男女平等局長)
本研究会では、第3回で元連合会長の笹森清さん、第4回では連合副事務局長の山本幸司さんに、連合運動の20年の総括や政権交代・経済危機と今後の運動課題について報告いただき議論してきました。本研究会では、このテーマを女性労働運動に焦点をあてて議論しました。
女性労働者の過半数が低賃金かつ不安定雇用の非正規労働者であり、経済危機下、更に厳しい状況に置かれています。産休・育休切りも頻発しています。このよう な状況のなかで、男女平等や均等待遇をどう進めるのか、安心して働ける職場をどう作って行くのか、課題は山積みです。他方、政権交代によって、男女平等参 画を推し進める政策実現のチャンスも到来しています。
連合男女平等局長の片岡千鶴子さんに、ご自身の実践経験(単組やサービス連合での取り組み、審議会での議論)や連合運動のなかでの取り組み、政権交代や経済危機下での新たな課題と今後の展望について報告をいただき、議論を進めました。
片岡さんは、JTBに入社後、JTB労組執行委員、サービス連合中央執行委員(専従)、(社)教育文化協会をへて、2007年より連合男女平等局長を務められています。
報告内容を中心とした論文を『労働法律旬報』に掲載しました。
片岡千鶴子「労働運動をジェンダーの視点で振り返る:女性労働運動の現状と課題」〔『労働法律旬報』1726号(2010年8月25日発行)掲載〕
2010年2月13日土曜日
第4回社会運動ユニオニズム研究会を開催しました
テーマ:労働法改革の基盤と方向性
報 告:水町勇一郎さん(東京大学社会科学研究所教授)
司 会:田端博邦さん(東京大学名誉教授)
派遣法の改正問題に見られるように、政権交代後、これまでの労働法制の動きには大きな変化が生まれつつあります。これまでの規制緩和一辺倒の改革から、労働者の権利や雇用安定をめざす方向へと立法政策の動向は変わりつつあるといってよいでしょう。労働市場や職場の現状を変える上で、どのような望ましい労働法制をつくりあげるかという構想力をもつことは、労働運動にとっても重要な課題になっているといえます。
2009年春に発表された連合総研のプロジェクト「イニシアチヴ2009-労働法改革のグランドデザイン」の主査をつとめられた水町勇一郎さんを迎えて、これからのあるべき労働法制の姿について議論を深めました。
派遣、有期などの非正規雇用にかかわる労働市場法制、長時間労働問題を解決するための労働時間法制、労働者の発言権を組織するための集団的労使関係法における方策(労働者代表制)など、プロジェクト研究が取り上げている論点は労働法制全体にわたっています。
報告内容を中心とした論文を『労働法律旬報』に掲載しました。
水町勇一郎「『上からの命令』『多数者による決定』から『現場・少数者の意見の反映・尊重』へ:『労働法改革』のための議論のポイント」『労働法律旬報』1724号(2010年7月25日発行)
プロジェクト研究の成果:
連合総研のホームページ(連合総研のホームページ「イニシアチヴ2009-労働法改革のグランドデザイン」)
水町勇一郎・連合総研編『労働法改革:参加による公正・効率社会の実現』(日本経済新聞社出版社、2010年)
報告者紹介:水町勇一郎さん(東京大学社会科学研究所准教授)。現在、労働法理論の第一線で活躍されている労働法研究者。著作に、『パートタイム労働の法律政策』(有斐閣、1997年)、『労働社会の変容と再生-フランス労働法制の歴史と理論』(有斐閣、2001年)、『集団の再生-アメリカ労働法制の歴史と理論』(2005年)、『労働法(第2版)』(2007年、有斐閣)など。
2009年12月27日日曜日
第3回社会運動ユニオニズム研究会を開催しました
テーマ:いざ政権交代!連合は何をするのか?〜連合運動の20年と今後の展望
報 告:山本幸司さん(連合本部・副事務局長)
自民公明が下野し、民主党を中心とする政権が発足した今、労働運動は何をなすべきか。昨年秋以来の世界大の大不況の深刻化、派遣切り、そして、正規労働者を 含めた雇用破壊の進行、格差と貧困が拡大する中で、労働運動の取り組むべき課題は山積みです。連合は結成20周年を迎え、10月8日〜9日の大会をへて、 新たな体制をスタートさせました。
そこで、連合本部の山本幸司さん(副事務局長)に、結成20年と政権交代を迎える中で、連合はこれまで の運動をどう総括し、いかなる展望をもって運動を進めようとしているかについて、報告いただき、参加者のみなさんと共に、今、労働運動は何をなすべきかを 議論しました。
なお、山本さんは埼玉県下の中学校の理科教員をへて、再建した埼玉教職員組合の初代書記長、日教組特別執行委員、公務員共闘事務局長などを経て、2007年から連合本部の副事務局長を務められています。
当日の報告内容は、雑誌『労働法律旬報』3月下旬号・4月下旬号に掲載しました。PDFファイルを以下のサイトからダウンロードできます。
山本幸司「政権交代と今後の連合運動を考える(上)」『労働法律旬報』1716号(2010年3月25日発行)
山本幸司「 政権交代と今後の連合運動を考える(下)」『労働法律旬報』1718号(2010年4月25日発行)
2009年9月3日木曜日
社会政策学会での報告論文をアップしました
高須裕彦『労働組合運動の新展開:社会運動ユニオニズムの可能性・日米を比較して』
2009年8月9日日曜日
労働ビッグバン研究プロジェクト総括論文
田端博邦「労働ビッグバンは終わったか:経済危機と労働運動」『労働法律旬報』1700号(2009年7月25日発行)掲載
第2回社会運動ユニオニズム研究会を開催しました
テーマ:連合運動の20年
報 告:笹森清さん(前連合会長、労働者福祉中央協議会会長)
共 催:明治大学労働教育メディア研究センター
当日の報告映像(28分)は以下から視聴できます。
http://www.jca.apc.org/labornow/labornowtv/monogatari/sasamori.html
報告内容は雑誌『労働法律旬報』(12月上旬号・12月下旬号)に掲載しました。PDFファイルを以下のサイトからダウンロードできます。
笹森清「連合運動の20年(上)」『労働法律旬報』1709号(2009年12月10日発行)掲載
笹森清「連合運動の20年(下)」『労働法律旬報』1710号(2009年12月25日発行)掲載
2009年4月5日日曜日
第1回社会運動ユニオニズム研究会を開催しました
テーマ:アメリカの社会運動ユニオニズム
報告1:社会運動ユニオニズムとリビング・ウェィジ条例運動
〜市民からの労働への接近〜
小畑精武さん(自治労本部組織局アドバイザー)
報告2:SEIUは労働者の救世主か独裁者か
浜田陽太郎さん(朝日新聞記者)
コメント:米国左翼労働運動としての社会運動ユニオニズム
篠田徹さん(早稲田大学教授)
当日は上記三氏から報告いただき、アメリカ労働運動の現状と社会運動ユニオニズムについて議論しました。アメリカの社会運動ユニオニズムは80年代の困難な時代のコミュニティ(移民を含む)の組織化に起源があるのではないか、SEIUはビジネスユニオニズムそのものではないか、社会運動ユニオニズムの思想的背景など、興味深い議論をしました。
当日の関係資料・参考文献は以下の通りです。リンクをクリックいただければ資料をダウンロードできます。
小畑報告レジュメ
浜田報告レジュメ
篠田報告レジュメ
小畑精武「アメリカ視察団からの報告」『月刊労働組合』2009年4月号、No.531(リンクなし)
浜田陽太郎・竹信三恵子「変革を問われる労組」『朝日新聞』2009年3月17日朝刊 東京本社
篠田徹「第12回労働調査セミナー報告②:労働運動について考える」『労働調査』2009年1月号、労働調査協議会
2009年2月17日火曜日
社会運動ユニオニズム研究会をスタートします
新自由主義的な市場原理主義が自己崩壊し、経済的な危機が深刻化する中で、従来の新自由主義的なあり方が全面的に転換されようとしています。他方、経営側のなりふり構わない大リストラ攻撃を前に、労働運動がそれにどう対抗し、新しい雇用と社会の仕組みをどうつくるのか、深刻化するワーキングプアや貧困問題をどう解決するのか、労働組合自身が他の社会運動と連携しながらどう主体的にこれらの課題を取り組んでいくのか、そして労働運動自身の活性化をどう進めるのかが問われています。
このような情勢と課題の大きな変化の中で、労働ビッグバンプロジェクトは公開研究会活動をいったん終了して、新しい状況に対応した研究プロジェクト「社会運動ユニオニズム研究会」をスタートしました。
今後、随時、公開研究会を開催していきますので、ご関心あるみなさんのご参加を呼びかけます。